2022/05/16 14:55

食品専門商社マンが選ぶ!味、食感、コストで見るおすすめの揚げ油

お惣菜屋さんや飲食店などで、メニューに欠かせない揚げ物。

料理される方はより押しい揚げ物を作るために日々試行錯誤を繰り返されているかと思います。

食材選びや味付け、調理方法などから改良されるケールは多いものの、揚げ物油を味付けの一つとして見られる方は少ないのではないでしょうか。

揚げ物油は炒め物などと違い、一度に多くの油を使うので、どうしてもコストを優先して、風味づけや食材との相性など付加される価値は見過ごされがちになってしまいます。

そこで今回は、味や食感、コストの面から揚げ物ごとに相性のいい油を説明していきたいと思います。


風味を加えるならラードがおすすめ

揚げ物油としてのラードはあまり馴染みのない方も多いかもしれません。

揚げ物油というよりかは、ラーメン屋さんでラーメンを食べたときにスープなどに浮いている脂身をイメージされるのではないでしょうか。

サラダ油やごま油など、一般的に使われる油の多くは「植物油脂」と呼ばれる植物から採油される油になりますが、ラードは豚の脂身をもとにした「動物性油脂」の一つです。

市販されているラードやヘット(牛の脂身から精製した食用油脂)などの動物性油脂は植物性油脂と比べて圧倒的に少ないのですが、外食産業などでは揚げ物油に動物性油脂をこだわって使うお店もたくさんあります。


ラードの特徴① 風味を付加できる

動物性油は油そのものが持つ香りの存在感が植物性油圧倒的に強いです。

ラードは豚肉のタンパク質が焼けるような香ばしい風味が加わるため、肉系の揚げ物だと食材の味をより引き立たせることができます。

例えば、コロッケはジャガイモにひき肉を加えることでよりおいしく仕上がる一方でお肉の比率は増えるとコストが多くかかってしまいますが、ラードで揚げれば、ひき肉の代わりにラードが肉の風味を加えてくれるので、コスト削減にも役立ちます。

ラードの特徴② サクッカリッと仕上がる

ラード、ヘットなどの動物性油を使うと揚げ物の表面がサクッ、カリッと仕上がります。

これは「ショートニング性」という動物性油脂の持つ特徴の一つで、パンやビスケットを食べたときにポロポロと砕けるような口あたりは、ラードなど動物性油脂入れることで生まれています。

身近なところでいうとマクドナルドのポテトには独特な「ザラッ、カリッ」とした食感をだすためにヘット(牛脂)を加えた揚げ物油を使用しています。

植物性油脂はもともとが液体ということもあり、動物性油脂と比べるとカラッとした食感に仕上がりにくいため、揚げ物に歯応えやザラッとした舌触りを出したいときは動物性油脂のラードをおすすめします。


ラードと植物性油を混ぜて使えば経済的

ラード、ヘットなどの動物性油を使うと揚げ物の表面がサクッ、カリッと仕上がります。

これは「ショートニング性」という動物性油脂の持つ特徴の一つで、パンやビスケットを食べたときにポロポロと砕けるような口あたりは、ラードなど動物性油脂入れることで生まれています。

身近なところでいうとマクドナルドのポテトには独特な「ザラッ、カリッ」とした食感をだすためにヘット(牛脂)を加えた揚げ物油を使用しています。

植物性油脂はもともとが液体ということもあり、動物性油脂と比べるとカラッとした食感に仕上がりにくいため、揚げ物に歯応えやザラッとした舌触りを出したいときは動物性油脂のラードをおすすめします。


ラードと相性のいい揚げ物、相性のよくない揚げ物

ラードと相性のいい揚げ物

  • コロッケ・メンチカツ・トンカツ・鶏の唐揚げ・ポテト

ラードと相性のよくない揚げ物

  • 天ぷら

植物性油脂はもともとが液体ということもあり、動物性油脂と比べるとカラッとした食感に仕上がりにくいため、揚げ物に歯応えやザラッとした舌触りを出したいときは動物性油脂のラードをおすすめします。

鶏の唐揚げやコロッケなど肉系の揚げ物はラードの風味が食材の持つ風味をより引き立たせてくれるのでとても相性がいいです。

一方で、天ぷらなどは衣が油分を多く吸うため、ラードの風味がつきすぎて、天ぷらの食材の味に勝ってしまうことや、天ぷらの衣のふわっとした食感が硬い食感になってしまうのでおすすめしません。

素材を活かすならキャノーラ油がおすすめ

キャノーラ油は菜種油を改良した油です。

菜種油にはエルシン酸と呼ばれる体によくない脂肪酸が含まれているのですが、このエルシン酸をほとんど含まない菜種油としてカナダで開発されました。

キャノーラ油は総合的にとてもバランスがよく、カラッとした食感で揚げることができて、繰り返し揚げても油くさくなりにくく、もちの良い油です。

また、菜種の甘い香りは主張が強すぎず、食材の邪魔をしないので相性の悪い揚げ物がない万能な揚げ物油です。

さらにキャノーラ油には高血圧や動脈硬化といった生活習慣病のリスクを下げる作用があるとされる「オレイン酸」の比率も高く健康的な面でもおすすめです。

高級料亭などで使われるような国産の菜種油や、ひまわり油など、揚げ物の仕上がりがいい油はありますが、値段が高いということもあり、味とコスト両方を見るとキャノーラ油に軍配が上がりました。

キャノーラ油と相性のいい揚げ物、相性のよくない揚げ物

キャノーラ油と相性のいい揚げ物

  • 天ぷらを含めた揚げ物全般

キャノーラ油と相性のよくない揚げ物

  • 特になし

クセがなくさらっとした風味のキャノーラ油は苦手な揚げ物はなく、どんな揚げ物とも相性がいいです。ただラードのように味を付加する効果は特にないので、味に関してはあくまで食材の持つ味がベースになります。


まとめ

味や食感、コストの面から揚げ物油を見ていきました。

まとめると以下のようなイメージです。結果的にラードとキャノーラ油の2種類になりましたが、ここに健康面などを加えると、米糠油などもおすすめです。

ぜひ皆さんの揚げ物を美味しくする参考にしてみてください。

清水ラードショップでは清水商事オリジナルのラードの取り扱いもございます。

ラードをお探しの際はぜひこちらもご検討ください!